目の疲れ対策には温湿布やマッサージを

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
今回は「目の疲れ」についてです。
スマホやPC、夜更かしによって目は酷使され続けています
肩や首がこる、という患者さんの目のツボを押さえますと、あら不思議。それだけでコチコチのこりがフッと緩むことがあります。また胃の調子がすぐれない、なんて方にも同じようにするとお腹が鳴り出し「なんだかお腹が空いてきました」という方が多くいらっしゃいます。
目は非常に重要な場所です。外界を見る役割を果たすだけでなく、身体のあちこちに影響し、さらには気分や気持ちにも大きく関わってきます。
しかし、スマホやPC、夜更かしによって私たちの目は酷使され続け、それが身体や気分の不調に大きく関わっているような気がします。
まず、大きく影響されるのは首や肩の筋肉です。目を使いすぎて首や肩がこるのは、皆さまも体験されていると思います。そこから頭痛など頭部の症状の原因となるだけでなく、首肩の筋肉は下半身まで繋がっているので、腰痛や坐骨神経痛といった下半身の不調を引き起こすこともあります。また、自律神経のバランスを乱し、全身の不調の原因に。消化器の不調、女性であれば婦人科系の不調の遠因となることもあります。自律神経の乱れは気持ちにも大きく作用しますので、イライラや落ち込み、不眠などを招くこともあります。
逆に、全身の不調が目に症状を引き起こすこともあります。東洋医学では肝臓と目は関係が深いと考えているので、食べ過ぎや飲みすぎで目が疲れやすくなることもあります。
疲れた目に、おすすめは目の温湿布
目の酷使は、現代ではもう避けられません。使ったらしっかり休ませてください。おすすめは目の温湿布です。温めたタオルや目用のホットパックでも良いと思います。下記、イラストのマッサージも試してみてください。目を上下左右、右回り、左回りに動かすこともいいですね。目が疲れている方は結構痛いと思いますが、ムリをしないで少し痛い程度に動かしてください。
これらを取り入れると、不調が少し楽になるだけでなく、きっとキラキラしたきれいな目も保てると思います。
目疲れさんのご自愛法/マッサージ
1.目の周りをマッサージ
眉毛を内側から外側に向けて、気持ち良い圧でグーッと押したり目の下を押さえても良いでしょう。
目の上にそっと手を当てて軽く圧迫をかけてみてください。
2.頭をトントン軽くたたくのもおすすめ
目からずーっと頭の方に上がっていったところと耳からずーっと上がっていった線の交わるところあたりを、指先で気持ち良くたたいてみてください。
首や背中が痛いときはこちらも参考にしてください。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)