夏に「首や背中が痛い」時は心臓に注意、心臓ケアの方法

夏に「首や背中が痛い」時は心臓に注意、心臓ケアの方法

「最近、首や背中が痛いな」と感じたら、それは心臓に何かあるサインかもしれません。

 

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。

心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。

 

「頭を上に向けると痛みが・・・」夏に来院された女性。その症状の原因は・・・?

 

何年か前の夏、左腕のしびれを訴えていらっしゃった女性がいました。頭を上に向けた時、ズキッという痛みとしびれが左の首から腕にかけて走るそうで、お医者さんでは骨の聞が狭いと言われたそうです。

 

施術すると頭を上に向けた時に走るズキッという痛みはなくなりましたが、しびれがとれません。これは首から来るのではないかも、と思って色々うかがうと、健康診断で「心臓に注意」と言われたことがあるそうです。実際動悸がすることもあるそうですし、心臓のツボを押すとものすごく痛いそうです。そこで心臓のツボをゆるめる施術をすると数回の施術でしびれがとれ、動悸がする頻度も大きく減りました。

 

暑い夏にもっとも負担がかかるのは心臓

 

東洋医学では暑い夏にもっとも負担がかかるのは心臓である、と考えています。心臓の疲れは左の肩から背中にかけてのこりをつくります。また左の肩と左のお尻は車の前輪・後輪のように筋肉で繋がっていますので、左肩の不調は左の腰やお尻の不調を招きます。

 

つまり夏に私の施術所で来院が増える左の肩や腕、腰から足にかけての不調を東洋医学的に解釈してみると、夏による心臓の疲れが原因である、と考えることができます。また、そのような症状を訴える方の中には実際に動悸や不整脈、あるいは狭心症をやったことがある、と言う方も少なくありません。もしこの夏、左半身に不調を感じるなら、心臓をいたわってみましょう。

 

心臓をいたわるマッサージのご紹介

 

まずツボのマッサージです。心臓の大事なツボは左手の小指と中指の爪の根元にあります。ここを指でつまむようにしてみると、痛みを感じる場合もあるかと思います。寝る前に左右の股関節をよく動かすのもオススメです。

1.指のマッサージ

指のマッサージ写真

 

左手の小指と中指の爪の根元をやさしくもんでください。1 日数回、1 回につき数分です。電車に乗っている聞やおうちでのんびりしている時でも気軽にできます。

 

2.股関節ぐるぐる

股関節ぐるぐる写真

 

仰向けで左右の足を外回しと内回し10 回ずつ、股関節を中心にゆっくりぐるぐる回します。

3.ふくらはぎ運動

ふくらはぎ運動写真

つま先を反らせてふっと力を抜きます。「第二の心臓」といわれるふくらはぎの血液の循環をよくしてあげましょう。痛い時は無理してやらないでください。

最近では35℃を超すような猛暑も珍しくはありません。そんな夏の日は熱中症に気をつけることももちろんですが、日々黙々と私たちを支えてくれている心臓もケアしてあげて、今年の夏を楽しく過ごしてくださいね。

 

 


 

中野史朗(なかのしろう)

均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)