農薬とは。農薬商品は4,000件、一方で農薬の「有効成分」は550程度の成分

農薬とは。農薬商品は4,000件、一方で農薬の「有効成分」は550程度の成分

”農薬”とは一言で片付けるには難しい、奥が深いものです。

 

みんな言葉は知っているのにその正体をまったく知らない、農薬のお話を2回に分けてご紹介します。

 

農薬は、分類として「化学的」「生物的」「物理的」に分けることができます

 

農薬の分類として「化学的」「生物的」「物理的」に分けることができます。

 

1.化学的

化学合成した分子成分によって虫や病気に介入するタイプ、人間の薬と同じような考え方です。

2.生物的

害虫を補殺する虫、害虫にカビを生やして防除するものなどがあり、生物をもって生物を制御します。

3.物理的

粘着質のもので害虫を補縛・餓死させたり、害虫の呼吸のための気門を糊状の膜で封鎖して防除する、などの方法です。

1の化学合成農薬は、成分の発見から販売するまで、安全テストなどのために10年の期間と数十億円のコストを要します。

現在、日本で購入できる「農薬商品」は4,000件ほど。でも、これはそのまま「農薬の種類」とは言い難いのです。農薬の登録は「商品」として行います。「商品」とは別に「有効成分」というものがあり、これが農薬の心臓になります。

 

ドリンク剤でも、タウリンなど疲労を回復する成分は一緒ですが、その配合濃度や販売会社などにより、何十種類と販売されていますよね。農薬もそれと同じ。濃度や剤の形状、発売元が違うなどの理由から、同じ「有効成分」でもいくつもの「農薬商品」が販売されています。

農薬商品は4,000件。しかし、「有効成分」は550程度です。この550程度の成分について、稀に新聞記事などになる「残留基準値」が定められています。もう少しいえば、「550成分×何十種類もの作物」の組み合わせで残留に関する農薬の基準値は定められているのです。

 

いかがでしたでしょうか。

今回は農薬の成分についてでした。

次回も知られざる農薬について迫ります。次回の農薬のお話もお楽しみに。