「風邪の効用」きちんと休息をとることで身体が元気に

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
今回は「風邪の効用」についてです。
風邪のあと慢性的な不調が軽くなることも
「風邪は万病のもと」とよく言われますが、東洋医学では風邪を逆手にとって「風邪の効用」とし、身体を元気にしていこうと考えます。そもそも、風邪をひくのは身体の疲労がピークに達した時。もうこれ以上もたない、と身体が判断して強制的に休息させ、蓄積した疲労を解消させます。
老廃物を身体がデトックス
風邪をひくと熱が上がりますが、これは体内のウイルスをやっつけるためです。鼻水が出て、痰が出る。皮膚に発疹が出ることもあります。これは、たまった老廃物を身体がデトックスしている状態です。そう考えると、風邪って悪いことだけではないような気がしてきませんか?
白湯や番茶、梅干しもおすすめ
では、風邪をひいた時はどう過ごしたらよいのでしょうか?
まず、暗い所で安静にすることが大前提です。食欲がないときは無理して食べずに、十分に水分をとるようにしてください。水は口の中で少し温めてから飲みます。
できれば、白湯の方が良いでしょう。白湯や番茶に、梅干しを入れて溶かしたものもおすすめです。
症状がらくになる方法
1.「足湯」でぽっかぽか
起きることができるならば、足湯が良いと思います。
少し熱いな、と感じるお湯を洗面器に入れて足首までつかります。
1日 1〜2回、1回 5〜10分ぐらいで良いと思います。
ほかに、ホットパックでお腹を温める、背筋がゾクゾクするのなら肩甲骨の間に当てましょう。お風呂に入った時は、必ず頭をドライヤーでしっかり乾かしてください。
2.「足首くるくる」で免疫力up!
子どもが風邪をひいたら、足首をくるくる回してあげてください。
リンパの流れがよくなり免疫力が上がります。
1日 2〜3回、1回 片足1〜2分で良いと思います。
足首をくるくる回す前に熱を測って、その後にもう一度計ってみると、効果が実感できるかもしれませんよ。
もし風邪をひいたら「風邪の効用」を信じてゆっくり身体を休ませてあげてください。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)