健康のためにツボを使いたい方必読!

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
施術の仕事を始めて16年になりますが、今でも身体の不思議さには驚かされます。
その不思議のひとつが「ツボ」です。
例えば帯状疱疹に効くツボがあるのはなんと足首。喉が痛い時は肩のツボを10秒くらい押さえると、痛みが和らぎます。
さらに乳腺炎のツボは内腿にあります。ツボをやさしく押さえると、痛みがスッーと和らぐと、皆さん驚かれます。
他にも身体のありとあらゆる不調に効くツボが身体には備わっています。
しかし現代医学的にはもちろんのこと、東洋医学的にも解明されてはいません。
誰がいつどのようにして見つけたかも分かりません。世界七不思議のひとつのようなものです。
正確なツボの位置を見つけるのは至難の業
一般の方にとっては難しいと思います。
よく家庭医学系のツボの本には場所の説明がありますが、これはこの辺にありますよ、という目安でしかありません。
人によって少しずつずれていますし、同じ人でも日によって変化します。
ツボの本を買ってもなかなか効果が得られないという理由はここにあります。
健康管理にツボを使いたいという方はまず、手足の指をよく回しましょう
手足の指はそれぞれ五臓六腑に繋がっています。
正確なツボの位置がわからなくても指を回したりもんだりするだけで、その刺激はそれぞれの内臓に伝わります。
テレビを見ながらでも、電車やお風呂の中でも、気軽にやってみてください。指と内臓の関連はイラストをご参照ください。
「森は海の恋人」という私が大好きな言葉があります。
一見関係のなさそうな森と海は切っても切り離せない関係であるという意味です。
同じように身体のあちこちも、さらにはあらゆるものがお互い切っても切り離せない関係にあるのかもしれません。
もっと大切に生きなければ、とツボに教えられている気がします。
指回しでご自愛法
それぞれの指が上記の内臓とつながっています。隙間時間に、何かをしながらでもできますので、毎日の身体づくりにお役立てください。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)