エアコン注意。「夏の冷え」症状と対策

エアコン注意。「夏の冷え」症状と対策

夏の冷えにお困りのあなたへ。

心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。

 

女性の敵!夏の「冷え」

暑くなってくると、妊婦さんや授乳中のお母さんからの相談をよくいただきます。逆子、切迫早産、赤ちゃんが下りてこない、あるいは乳腺炎といったトラブルです。こういった女性のデリケートな状態の身体に影響を与えているのが、実は夏の「冷え」なのです。

 

夏の「冷え」の原因とは?

冬の間は身体を縮めて寒さから身を守ります。しかし夏は、身体から熱を発散させるため、身体はゆるみ、骨盤を始めとする関節だけでなく、皮膚の毛穴まで拡げ、外気との交流を盛んにします。

冷えの写真

しかしこの時、あちらこちらで付いているエアコンの冷気が無防備な身体に飛び込み、一気に芯まで冷やします。また、エアコンの冷気は下にたまりますので、常に温かい状態でいてほしい足元まで冷やします。さらに冷たい飲み物や食べ物も身体の中を冷やしていきます。

こういった冷えが、さまざまな不調をつくり出していきます。子宮や卵巣は冷えると硬くなり、働きが悪くなってしまいます。また、冷えによって交感神経が緊張し、内臓の働きが悪くなる、ということもあります。冷えに弱い女性の皆さんや、特に妊婦さんや出産したばかりのお母さんには気をつけて過ごしていただきたい時季なのです。

 

「夏冷え」におすすめの対策・対処方法

夏の冷え対策写真

私がこうした「夏冷え」患者さんにオススメしているのは、まずはお風呂に入ること。夏はシャワーで済ませる方が多いようですが、一日の終わりにはぜひ湯船に浸かってください。エアコンで冷やされていた方は、逆に温かいお風呂は気持ちよく感じるはずです。そしてお風呂上がりは汗をふき、ゆっくりと身体を冷ましてください。お風呂に入っても芯まで温まる感じがしないという時は、信頼できる東洋医学の専門家にぜひ相談してください。的確な治療を受けることで、あっという聞に身体が楽になるはずです。

冷え対策写真

夏は特に過ごし方が難しい季節です。エアコンの温度をうまく調整しながら、1 日の中でどっと汗をかく時間をつくり、身体を冷やさないようにして、気持ちのよい夏をお過ごしください。

 

 


 

中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)