【第1回】更年期にお悩みの方へ。更年期の乗り越え方

【第1回】更年期にお悩みの方へ。更年期の乗り越え方

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。

心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。

 

更年期と向き合う

 

私の施術所には、いわゆる「更年期障害」によるさまざまな症状のために来院される方も多くいらっしゃいます。

 

その症状はほてりや冷え、身体の痛み、生理の異常やイライラ、落ち込みなど、本当に多岐に渡ります。

 

西洋医学的には女性ホルモンの分泌が低下することが原因といわれており、東洋医学でも女性は7の倍数の年齢の時に大きく身体が変化すると考えますので、この時期は女性にとって産む身体から変化する大きな転換点であります。

 

しかし、その転換点を上手く乗り越えることが出来ていないために更年期障害によるさまざまな症状が起こる、と考えています。

 

特にカギとなるのが骨盤です。

 

東洋医学では生理が始まる前は骨盤が閉じ、生理が始まるとその周期にあわせ骨盤が閉じたり開いたりし、更年期を迎えると骨盤が今度は開いて安定すると考えます。

 

この、骨盤が開いたり閉じたりするためには骨盤に弾力性が必要です。骨盤に弾力性があれば、上手くスムーズに骨盤が開いて安定してくれるので、特に症状もなく更年期を過ごすことも出来ます。

 

しかし、骨盤に弾力性が無く、なかなか上手く開いてくれないと、今度はさまざまな不調をつくり出すことになる、と考えています。

 

なぜ骨盤に弾力性が無くなるのでしょうか?

 

もちろん、生まれつきということも考えられますが、私の施術所に来られる更年期障害のひどい方を診ると、ある共通点が浮かび上がります。

 

それは何らかの形で婦人科系に無理をかけた経験がある、ということです。帝王切開や流産を経験されていたり、産後に無理をしてしまったり、不妊治療を受けていたり、子宮や卵巣の病気のために下腹部にメスを入れた、というものです。

 

このような経験をされている方は一様に骨盤がカチカチで、非常に動きの悪さを感じます。そして、更年期になって突然調子が悪くなったのではなく、常に不調に悩まされていたという方がほとんどです。

 

では、どのようにこの時期を乗り越えていったら良いのでしょうか?

次回から具体的にお話ししたいと思います。

 


 

中野史朗(なかのしろう)

均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)