アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その1

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。今回のテーマは「アトピー」。ご自身もアトピー性皮膚炎に悩まされた経験から、自宅でできるケアを4回に分けて、ご紹介いたします。
自分も経験したから分かるアトピーの辛さ
私は物心つくころからアトピー性皮膚炎に悩まされていました。とはいえ、最初は身体の一部に出る程度でした。しかし大学を卒業、就職し、慣れない仕事と酒席の多さ、自分の未熟さから25歳の時にそれまで小康状態であったアトピー 性皮膚炎が文字通り爆発し、足の裏を除く頭の先から爪先まで全身アトピーに覆われました。全身かさぶただらけで少しでも掻くと穆出液(しんしゅつえき)と血液が流れ出すのは、本当にきつい経験でした。毎日が地獄のようで、何で自分だけがこんな自に・・・と思っていました。
症状が改善するきっかけを与えてくれたのは東洋医学
そのアトピーが改善するきっかけを与えてくれたのは東洋医学の治療でした。治療を受けてすぐによ
くなったわけではありませんが、気がつくとそれこそ薄皮を剥ぐようにゆっくりと改善していきました。人前に出られるようになるまで3か月、かなり回復したのは1 年経ったころでした。初代は好不調を繰り返し、30代になったら自分でも信じられないほどよくなりました。現在はスキンケアもほとんどしてい
ませんが、肌の調子は良好です。
自宅でできるケアをご紹介します
子どもの時は皮膚科で軟膏をもらって塗っていました。しかし、子どもですから塗らなくなるとすぐに痒くなり皮膚は元の状態に戻ってしまいます。真面目に塗り統けていると今度はその周りや別の場所が痒くなって軟膏を塗らなければいけない場所が広がります。そんな経験から自分にはずっと現代医学のアトピー治療は合わない、とも思っていました。
今、私の施術所にもアトピーに悩む方がいらっしゃいます。特に大人のアトピーの方は私も同じ苦しみを経験しましたので、一生懸命施術をさせていただいております。しかし数年がかりの施術でようやくよくなる方もいますが、改善がみられず来院されなくなる方もいらっしゃいます。施術したからといって、すぐにかゆみが消えることもありませんし、アトピーが急速になくなることもありません。非常に難しい不調なのです。
しかし何とか早くよくなっていただきたいという思いで、私はご自宅でできる方法を何かとお話しています。それは?食生活の見直し、?自律神経の安定、?免疫力の改善、?内臓の働きの改善です。
次回から、それらを詳しくお話させていただこうと思っています。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)