アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その2

アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その2

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。今回のテーマは「アトピー」。ご自身もアトピー性皮膚炎に悩まされた経験から、自宅でできるケアを4回に分けて、ご紹介いたします。
2回目にあたる今回からは具体的な対処法をお伝えしていきたいと思います。今回はアトピーと食事の関係についてです。

甘いもの(砂糖の入ったもの)は控えて

一般的にはアレルゲン除去食、粗食、玄米菜食、小食など、さまざまな食事療法がアトピーの方に紹介されておりますが、私は患者さんたちにとにかく甘い物(砂糖の入った物)を食べないということをお願いしています。東洋医学は砂糖の害というのをとてもうるさく言います。
昔は高級品で、庶民の口にはなかなか入らなかった砂糖も、最近は簡単に手に入ります。そのために病気が増え、治りづらくなった、と東洋医学の業界ではよく言われます。

砂糖は、肝と脾に負担をかける

体内に入ってきた砂糖は、東洋医学でいう肝(肝臓)と脾(消化器全体)に負担をかけます。肝は身体の解毒機能を司り、脾は肌肉を司るといい、身体の修復機能の一部を担います。まず砂糖の食べ過ぎによって肝に負担がかかり、解毒機能が衰えます。上手に排泄できなければ、最終的に身体は皮膚から排泄する方法を選びます。また、脾は傷を含む身体の修理を担いますが、負担のかかり過ぎた脾には身体の修理をすることができなくなり、アトピーの傷がなかなか治らない原因にもなります。

まずは1週間がまんしてみる

実際アトピー を持つ方の多くは、甘い物を食べるとかゆみがひどくなるとおっしゃいます。特に子どもさんは周りが甘い物だらけですので、注意してください。甘い物とアトピー の関係をよく子どもさんに説明してあげることが大切です。ただ子ども同士のお付き合いもありますから、家ではなるべくゼロにして、お友達と一緒の時は大目に見てあげることも必要かもしれません。
大人の方は甘い物をゼロにしてみましょう。「絶対無理です!」という方は、試しに1 週間だけがまん。するとだんだん食べる気がなくなって、最後には別に食べなくても平気になるようです。お菓子ほど害は強くありませんが果物もほどほどに。特に最近の果物は栽培技術の向上によって昔よりも甘味が強いのです。

アトピーだけでなく、身体の痛みに悩む方も甘い物は厳禁です。つらいことですがそこを乗り越えれば、身体が少し変化していることを実感できると思います。______________________________________________________________

中野史朗(なかのしろう)

均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)