アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その4

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
東洋医学ではアトピーは単に皮膚だけの問題とは考えません
五臓六腑に何らかのトラブルがあるため症状を出す、と考えます。
「皮膚は内臓の鏡」と言いますが、実際アトピーの他に便秘や下痢、胃の不調、風邪を引きやすかったり、身体が非常に冷えていると、いろいろな症状のある方がほとんどです。
私の施術所の患者さんでアトピーが良くなる方は、お腹のしこりが減り、呼吸が深くなります。アトピー以外の症状がいつの間にか軽減し、ふと気がつくと
アトピーも改善されている、という経過をたどります。
お腹のしこりは東洋医学では五臓六腑の乱れと考えます。
しこりが取れるということは、乱れていた臓器が徐々に働きを取り戻しているととを意味します。
特に、肝臓や腎臓といった解毒排泄器官や脾臓といった免疫器官がしっかり働いてくれるととは重要です。呼吸が深くなることは、横隔膜の上下運動が大きくなって内臓をマッサージし働きを良くします。深い呼吸は交感神経と副交感神経のバランスを良くし、かゆみをつくり出す一因である自律神経の乱れを整えてくれます。
現代医学的には、アトピーは免疫力が自分を攻撃している姿と見ています。
東洋医学では、内臓全体が免疫力と大きく関わると考えるため、内臓を整えることで自分を攻撃している免疫力を少しずつ正常な形に戻し、症状改善につなげると考えています。
また、免疫力を乱さないためのひとつの方法として、身体をよく温め冷やさないようにする、ということがあります。
お風呂につかり、出来れば足湯もしましょう。
飲み物、食べ物も温かい物を選ぶことをおすすめします。
私も辛かったアトピーですが、セルフケアで少しでも楽にお付き合いできるようになれば、と切に願う次第です。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)