果物のクライマックス「バナナが甘くなる理由」

果物のクライマックス「バナナが甘くなる理由」

エチレンで美味しくなるバナナ

青果物は新鮮な方がいい! ごもっともです。でも、寝かせることでおいしくなる青果物もたくさんあります。今月は「寝かせる」を解説したいと思います。

 

野菜では根菜類などを少し寝かせる(一定の温度・湿度で保管)ことにより、でんぷんが少し糖化し、ホクホクの食感に加え、甘味が増していきます。さつまいもは、8〜10月の収穫ですが、甘味、しっとり感は10月下旬以降に本領を発揮してきます。
トマトなどもやや過熟になるまで置いておくと、ゼリー部分の酸味が抜けて、少しマイルドな味になります。これは人により好みが分かれますね。

 

さて、中でも特異的な熟し方をするのが一部の果物です。バナナやキウイフルーツ、アボカドのような果物、これらはクライマテリック型(クリマクテリック型)果実と呼ばれます。語源は一気に場面が盛り上がる「クライマックス」。ある一定の時期から一気に熟していく果物のことです。

これらの果物は、収穫の時点で果実に十分な栄養(でんぷん等)を確保しています。ただし、この時点では甘さなどの果物特性がほとんどありません。例えばバナナ。果実はかたくて甘くない、緑色のバナナの状態。ここに、植物ホルモンであるエチレンを感受させます。すると、果実の内部で劇的な変化が起きます。まさにクライマックス。でんぷん質の糖化、ペクチンの分解による果実の軟化、香り成分の生成などです。

エチレンは、もともと植物自身でも生成している自然のガス。それを、人工的に感受させることにより、追熟(後熟)のタイミングを人が管理できます。バナナなどは国内に青い状態で輸入し、室と呼ばれる倉庫でエチレンを感受させます(ちなみに、害虫の浸入予防のため、植物防疫法で熟したバナナは輸入できません)。
普段何気なく口にしている野菜や果物は、体内で劇的な変化を起こしながら我々の食卓に届いているのですね。

 

※ぶどうなどは、養分が果実に蓄積(転流)された時点で、ブドウ糖などになっており、非クライマテリック型果実と呼びます。

 


いかがでしたでしょうか。

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