野菜と果物ってどう違うの?気になるその定義とは

子どもに「野菜と果物ってどう違うの?」と聞かれたとき、あなたはどう答えますか?ちょっとだけ考えてみてください。
難しいですよね。「甘いのが果物で甘くないのが野菜」、こう考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、かぼちゃのように甘い野菜もありますので、食べたときの甘さで決めることは難しいでしょう。それでは、なにが違うのでしょうか。ここでは野菜と果物の違いについて考えていきます。
野菜と果物の違いってなに?
言葉の違いを知りたいなら辞書に当たるのが常套手段。そこで、まずは辞書でどう書かれているか見ていきましょう。
大辞林、精選版日本国語大辞典それぞれの野菜と果物の定義は次のように示されています。
■大辞林
・野菜の定義
食用に育てた植物。青物。
・果物の定義
木や草につく果実で、食べられるもの。
■精選版日本国語大辞典
・野菜の定義
野に生じて食用となる草本。また、畑に栽培している食用に供する草本。
・果物の定義
木や草になる食用の果実。
これを解釈すると、“果実の部分だけ”を食べるものを果物としているということになります。
ですが、いちごについては、小さい粒がいくつもついていますよね?厳密に言うと、この粒が果実でその中に種子が入っています。おいしく食べている、あの赤い部分は花托と呼ばれるもので、実は果実ではないのです。
辞書の定義としては果実だけを食べるのが果物としているわけですから、果物以外の種子や花托も食べるいちごは、果物ではないというわけです。
トマトについても野菜とする派と果物とする派に分かれます。と言うのも、トマトの果実部分を食べるからです。果実しか食べないという理由だけで判断すると、果物となりますが、農林水産省は「デザートとしてではなく、食事中に食べられるもの」という理由から野菜と判断しています。
それでは次に野菜と果物(果実)の分類について、農林水産省の見解を紹介していきます。
農林水産省ではどういう定義になっている?
農林水産省によると、「野菜と果物(果実)の分類については、はっきりした定義はありません。あるものを野菜に分類するか果物に分類するかは、国によっても違い、日本でも生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもあります。」(農林水産省「野菜と果物の違い」)としています。
つまり、「野菜と果物の定義はきっちりと区分けすることができない」ということです。
また、農林水産省は果樹(果物のこと)を「概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」(農林水産省「果樹とは」)と定義しています。
「草本植物及び木本植物」というのは、草や木のことです。ポイントとなるのは「2年以上栽培する」というところでしょう。毎年苗を植えて1年で収穫するものは果実とは呼ばないとしているわけです。
先ほどはいちごが野菜に分類されることを説明しましたが、いちごは苗を植えてから1年で収穫します。この農林水産省の定義に合わせても野菜に分類されるというわけです。同じようにメロンやスイカも1年で収穫しますので、野菜という枠組みに入ります。
関連記事に「スイカは野菜ですか?」野菜と果物の違いとはがありますので、ご興味のある方はこちらも読んでみてください。
ここまで野菜と果物の違いについて、辞書や農林水産省の定義をもとにお伝えしてきました。
野菜と果物の違いについて、はっきりとした定義はないものの、甘くない果物は野菜のように感じられることもありますし、糖度の高い野菜は果物のように感じられることもあります。
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