りんごとみかんの出荷量 -果物戦国時代-

みかんとりんご。どちらも一般に流通していますが、その集荷量には大きな違いがありました。
りんごは長い間、温州みかんの背中を見て走り続けてきました。1970年代、両者の集荷料の差は圧倒的。なんと4倍もの集荷量の差があったのです。当時、みかんはまさか自分が他の果物に足元をすくわれるなど、考えてもいませんでした。
絶対王者のみかん。「あぐらをかいていた」と言えば大げさですが、九州〜東海のみかん産地は当時、まさに隆盛を極めていたのです。
現在のみかん
かろうじて果物出荷量において首位を守っていますが、その差はわずか。
みかんを100としたら、りんごは95。
肉薄です。
みかんはあと数年のうちに、半世紀にわたる王者の座を追われるかもしれません。日本の果物界は、歴史の転換点にきているのです。
なぜ、みかんはここまで惨憺たる状況に陥ったのでしょう?
それは、「変われなかった」のだと思います。みかんは「みかん」として売られ、認識されます。1種類なのです。厳密にいえば20種以上の品種が出荷されていますが、見た目はほぼ同じ。味も判別しにくい。
現在のりんご
しばらくは「ふじ」「つがる」「王林」などが幅を利かせていましたが、りんご第2位の産地、長野がさまざまな品種を打ち出しました。これをきっかけに東日本の各地で色・食味に特徴のある新品種が次々に出ました。りんご品種隆盛期とも言えます。
シナノの冠を持つ2つの品種「シナノスイーツ」「シナノゴールド」などは、一気に人気になり定番品種に。数々の甘い品種が新登場・定番化することで、なんと酸味のある古参品種、紅玉やあかねなども個性が際立つようになり、人気が復活しました。
みかんは、このまま追い抜かれていくのでしょうか。
いや、そうでもないようです。
遅まきながらみかんも「旨い!」「わたしはこの品種好き!」を目指し、動き始めているようです。
こうご期待!
りんごを買ったら「くるみを入れて食感抜群の「りんごの塩キャラメル」レシピ」も参考に。