温州みかん×オレンジから生まれた中晩柑「清見」

温州みかん×オレンジから生まれた中晩柑「清見」

以前りんごとみかんのお話を書きました。

りんごとみかんの出荷量 -果物戦国時代-

簡単に言うと「半世紀にわたる果物出荷量の王者みかんが、新たな品種がどんどん生まれているりんごに首位の座を明け渡しそうだ!」という果物界にとって歴史的事件です。

さて、対する背水の陣のみかん。こちらも遅まきながら反転攻勢! 仲間の力を借りて!

今回はそんな「みかん」のお話。

「中晩柑」 -ぽんかん、はっさく、夏みかんからブンタン、はるみ、清見、せとかへ-

みかん(温州みかん)は、9〜12月が旬のやや平たい、こたつのお供。こたつ保有率の低下とともに、確かに落ち込みが激しいです。しかし、その仲間である「中晩柑」は動きが激しいです!中晩柑とは、ブンタン、はるみ、清見、せとか……など。温州みかんより、少し遅く出荷が始まり、初夏まで収穫されるやや大ぶりの柑橘類です。かつての中晩柑は、ぽんかん、はっさく、夏みかんなどがメインでした。中晩柑は、皮が厚く酸味や苦味の強めな品種が多く、栽培面積もみかんと同じように減っていました。

そこに生まれたのが革命児「清見」です。この清見は、温州みかん×オレンジの仲間から生み出されました。現在、急成長を遂げる中晩柑のエース、せとか、なつみ、はるみ、しばらく中晩柑の優等生だった不知火(デコポン)などには、清見の血が入っています。

キラ星のごとく生まれている中晩柑の新顔たち。

その特徴は

?包丁不要

?甘味が強い

?内皮が薄い

?みかんよりひと回り大きい

正直言いましてこれらの中晩柑は、目をつぶって食べたら「これはどっちかな?」と思えるような組み合わせも……。が、甘味の強い品種が次々に生まれてくることにより、酸味や苦味が特徴の古参が見直されるのかな〜と期待しています!

 

王者「温州みかん」に対して、前述した柑橘類を「雑柑」と呼ぶこともあります。「雑」と呼ばれてきた者たちに、かつての王者は柑橘類の未来を託しています!

※柑橘類=みかん+中晩柑

柑橘類=みかん+中晩柑