土から見た農業、土質と農業

土から見た農業、土質と農業

新年から突然ですが、関東平野ってとても広いですよね?

羽田空港を利用しますと、離着陸の時に関東平野がいかに広大か実感できます。関東平野の中にも「低地」と「台地」があります。農業でいえば、利根川など大型河川流域に広がる「低地」では水田が中心、一段高くなっている台地では畑作が中心です。

農業と土質

今回はその「台地」のお話です。教科書では関東の台地(関東ローム)は西方の富士山・箱根山、北方の榛名山・浅間山などの火山灰が長年堆積したものと習いました。しかし最近の説では、関東の台地は火山灰のみで構成されているわけではないようです。平野の西縁、北縁から西北の風により運ばれる地表のホコリ、川が削り取る細かな砂などを運び込むことで形成されたというのが有力。そして、現在もその蓄積は続いています。確かに、私も東京に引っ越してきてから、風の強い春先、ベランダに溜まるホコリや細かな砂が他の都市より多いように感じます。

 

ということは、風下の東、南に行くほど台地の土は細かな粒が多いのでしょうか?

 

千葉の台地ではさまざまな作物が栽培されていますが、東へ行けば行くほど、きめ細やかな土質であり、さつまいもの名産地が広がっています。「春先には砂嵐のような状態になる畑ほど、よいさつまいも畑だ」というお話を生産者に聞いたことがあります。細かな土質はさつまいもにとって、無理なく紡錘形に生育しやすいのです。

 

肥料設計や土壌改良など、農業はさまざまな手法で土壌と向き合ってきましたが、やはりその地域に広がる潜在的な土質に逆らうことはできません。逆に、土質にあった作物を作れば、栽培において多くの苦労を取り除くことができるのでしょうね。

土から見た農業