「黒ボク」「グライ土」「赤黄色土」「ジャーガル」野菜と生かし合う4つの土の種類とは。

「黒ボク」「グライ土」「赤黄色土」「ジャーガル」野菜と生かし合う4つの土の種類とは。

所変われば土壌も変わる。

前回は「いい土とは。土がつくる野菜の味。」でいい土についてご紹介しました。

今回は野菜をつくる土の種類を紹介します。

全国に分布するさまざまな個性の土。各地方の土を見てみると、土質からさまざまな歴史まで見えてきます。
ここでは日本全国のたくさんの土壌の中から野菜の栽培にとって重要な4種の土について解説します。 

 

1.黒ボク土

火山灰を中心とする土。火山列島・日本では至ることろに存在し、全農耕面積の20%を占めます。とにかく、サラサラ。フカフカ。保水性、保肥性が非常に高く、雨が降るとすぐに水が下層へと浸みこみ、乾いてもフカフカのまま。トラクターもサクサク進み、刃の摩耗が少ない土です。

作物に対し物理的なストレスも少ないために、土中に伸びていく大根、にんじんなどの根菜類やさつまいもに適した土壌です。硬い土にぶつかることがないので、上から下まで同じように緻密な肉質の根菜ができ、万能型の土壌といえます。

黒ボクと好相性の野菜とは

・さつまいも

千葉〜茨城の黒ボクは非常に細かく、サラサラ。土中で四方八方へ肥大しやすいため、紡錘状のきれいなさつまいもができます。また、土壌の上〜下層にかけ安定した適度な水分があるため、真夏に生育するさつまいもには最適なのです。

・にんじん

にんじんは土の下へ伸びる作物です。途中で硬い土の塊や層があるとそこで生育が止まり余計なストレスがかかり、ガリガリ感、えぐみが出やすくなります。土の硬さが均一な土壌が素直な食感を生みます。

 

2.グライ土

河川周辺や河口付近に広がる沖積土壌。硬さは、ガチガチの粘土からフカフカの土まで変化に富みます。この変化は、河川の流れの速さ、河川が運ぶ土の違いによります。基本的に低い地帯に造成されるため、地下水位が高く、排水性がないのが特徴。表面が乾いていても、少し掘ると十分な湿り気があります。圃場全体の水持ちがよいということでもあり、水田に多く利用されます。

50?程度掘り下げると、土の色が青みを帯びています。常に水を持っているグライ土の下層は、土が還元状態(低酸素状態)になり、還元鉄が生成されるからです。

グライ土と好相性の野菜とは

・長ねぎ

グライ土は少し下層になると、酸素がほとんどない状態になり、根腐れを引き起こしてしまいます。しかし長ねぎは、土の下へ伸ばすのではなく、うねを高くして上に育てていきます。ねぎを美しくつくるきめ細やかなグライの長所、肥沃さを生かすのです。

・れんこん

低地に堆積する細かなグライ土では、米やれんこんなどの水を愛する作物が栽培されます。グライ土の中は酸素などの空気が非常に低く、地上に茎を伸ばし呼吸のできる植物のみが、そこで繁栄できるのでしょう。

 

3.赤黄色土(せきおうしょくど)

農耕地における赤黄色土の割合は、1%以下。日本中に局地的に存在し、浜松〜渥見半島、佐賀県上場地区、長崎県島原半島南部などの台地に見られます。強粘土で、耕運しづらく、保肥性、保水性が低い。肥沃な土壌とは正反対で、雨の後はドロドロ、乾けばカチカチ! 農家泣かせの土壌です。

しかしこの土は、高い栽培技術をもってすれば食味の濃い、野趣溢れる野菜をつくることができます。水と肥料の保持性が乏しいと、樹の様子を観察しながら少しずつ水と肥料を与えるしかないため、作物は水膨れ、肥料膨れせずに味も個性もグッと強いものに育つのです。

赤黄色土と好相性の野菜とは

・玉ねぎ

島原半島の赤黄色土は水分肥料の保持性があまりよくないため、水分ストレスにより甘味、辛味が強い玉ねぎになります。ところがサッと炒めることで、辛味が飛んでとても甘くなり、味わい深くなります。

・トマト

トマトはもともと、痩せた土地出身の植物です。肥料や水分を十分に蓄えることのできない赤黄色土では、トマトが子孫を残そうと水分以外の養分(甘味・酸味)を守ろうとするため、味も香りも濃いトマトになります。

 

4.ジャーガル

沖縄本島の南部に分布する、希少な土壌です。沖縄の土壌全体に対しては8%程度。肥沃ですが重粘土で作業しづらい、という特性があります。海底に堆積した生物や貝穀、砂などが隆起して地上に現れ泥灰岩となり、長い年月の風化により土になったもので、海由来のミネラル分に富みます。

色はきれいなグレー、雨後に固まると耕せないほどにガチガチに。生産者は、長年にわたりジャーガル畑にさとうきびの茎葉や搾り粕、堆肥などをすき込み、作業しやすい圃場に仕上げてきました。土壌改善により中性に近づいていれば、ピーマン、なす、トマト、レタスなどさまざまな作物を栽培できます。

ジャーガルと好相性の野菜とは

・さとうきび

さとうきびは、pH6.0〜7.0を好みますが、沖縄の赤土・黄土は酸性が強いです。そこで中性〜アルカリ土壌のジャーガルと、さとうきびとの相性はばっちり。また、土が硬く締まるので、背丈が高く風の影響を受けやすいさとうきびには好都合なのです。

・ゴーヤー

海泥由来の豊富なミネラル分が含まれるジャーガル。ゴーヤはツル性で生育が早く、肥料分が不足・遅れた場合、生育が停滞してしまいます。土中深くまで十分な養分を含むジャーガルはとても相性の良い土壌です。

 

さまざまな土壌と野菜果物の組み合わせは本当におもしろいものです。
味や風味に特徴が出る組み合わせ、安定した栽培・収量を保つ組み合わせなど、実に多種多様。
ただ、どんな組み合わせにおいても、生産者の不断の努力は必要なのです!

 


 

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次回もお楽しみに。