自根(じこん)きゅうりの産地・生産者「群馬県高崎市くらぶち草の会」

自根(じこん)きゅうりの産地・生産者「群馬県高崎市くらぶち草の会」

今回は、自根きゅうりの産地、群馬県高崎市の「くらぶち草の会」をご紹介します。

 

群馬県高崎市「くらぶち草の会」

くらぶち草の会

 

ヒョロリと長い日本列島。
気候や土壌といった農環境における地域差は同じ国とは思えないほど、豊かで多彩です。

 

だからこそ「あんな場所で農業してみたい」と違う地域の農家がうらやむような、よい土と気候に恵まれた地域が存在するのも事実。農業に最適と言われる黒ボクの土は、昔の浅間山噴火で飛散した軽石粒を含み、水はけの良さも抜群。気候は昼夜の寒暖差が大きく冷涼、地域内での標高差を活かした多品種生産も可能。

秋頃であれば、自根きゅうり、トマト、レタスなど多彩な野菜をコンスタントに栽培できる。群馬県の西部に位置する倉渕町は、自信を持って「農業地の優等生」といえるでしょう。

 

そして、いい野菜を育てる基礎力の高い場所は、人を育てることにも、通ずる何かがある様子。野菜も人も、大きく伸びやかに成長できるかの町を紐解くキーワードは「土台」にあるようです。

 

手聞がかかっても、やっぱり「自根きゅうり」

 

野菜を栽培する技はさまざまありますが、ポピュラーな技法に「接ぎ木」があります。これは、2 つの苗の根の部分と芽や葉の部分を継ぎ合わせて一つの苗にする方法。
根に病害虫に強い苗を、芽や葉の部分に昧がよく多収量のものを使うことで、手間とリスクを避けながら効率のよい農業を行なうことが可能に。特にきゅうりやトマトの栽培では主流となっている育苗の方法です。

 

一方、接ぎ木することなく一本の苗の「白根」でつくる方法もありますが、接ぎ木苗と比較すると手間や収量で対抗しきれないのが現実。特にきゅうりは病害虫に弱いので、白根のきゅうりをわざわざ栽培する人はほとんどいません。

 

そんな中、「白根きゅうり」を栽培する水野さん。

「接木苗は使ったことがないから比較はできないけど、きゅうりはとにかくデリケート。倒れている茎を起こしただけでもそれがストレスになるんですよ」

それだけ手聞がかかっても、やはり白根きゅうりには接木苗にないよさがあるのだそうです。

「自分で言うのも何だけど、白根きゅうりはおいしいですよ。『これがきゅうり本来の味だ』って思います。よそのきゅうりは皮が硬くて・・・。外食は好きですが、そこできゅうりを食べようとは思いませんね」

 

 

自根きゅうりのいいところはなんといっても「味」

自根きゅうり

 

自根きゅうりのよさはなんといってもその味。
皮がやわらかく、きゅうり本来の味がします。

 

一方、傷つきやすいという弱点も。
時々、かさぶたのような傷が付いていることがありますが、これはこすれなどで発生したもの。
病気や虫によるものではないので安心してお召し上がりください。

 

出荷直前、立派に実り、出来のよさに思わず笑顔がこぼれます。
水野さんの自根きゅうり畑。手入れが行き届いています。

 

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