「夏野菜のトマトは北海道産がいい?」トマトの産地・生産者紹介

「夏野菜のトマトは北海道産がいい?」トマトの産地・生産者紹介

トマトは夏、北を目指す

 

夏が旬!といわれながら朝晩の涼しさも欲しがるトマト。 標高の高い場所や日本の北部、なかでも北海道は トマトにとって「約束の地」なのです。

 

なぜトマトは北海道を好むの?

 

北海道とはいえ、夏の日中はさすがに暑い。それでも日陰に入ると風はサラッと肌に心地よく、朝晩は涼しいくらいです。

 

らでぃっしゅぼーやの生産者が多い当麻町では、7〜8月の最低気温は10〜20℃まで下がります。これはトマトが暑い昼間に蓄積した物質を、糖やうまみに変換するのに最高の温度帯です。また、このあたりは内陸部でよく晴れます。トマトは野菜の中で最も光を欲しがる仲間。太陽の明るさを示す値「ルクス」で考えると、北海道の快晴時には10〜12万ルクスあり、トマトが欲しがる最大の明るさである7万ルクス程度は、ハウスで少し光が弱まっても十分に確保できます。

トマト反り返り写真

さらに北海道は冬が長く、害虫が少ない地域。九州や西日本のように、ハウスを細かな目のネットで囲わなくても済み、風が通り抜けます。この風が、ハウス内の余計な湿度や上昇した酸素濃度を平常に下げてくれるのです。

 

日中の暑さと朝晩の涼しさ、強光、乾いた風。夏の北海道には、おいしいトマトに必要な要素が揃っています。

 

“涼しい北海道”を過信しない

当麻町の楠さん親子

当麻町の楠さん親子は、実においしいトマトをつくり上げます。別に魔法を使っているわけではありません。育てる苗の精度、与える肥料の見極め、樹をよく見ながらの潅水……。当り前の作業を高いレベルで確実にこなしている結果です。

 

楠さんのトマトの樹は、葉が小ぶりで茎も細め。水で「太らせる」のではなく、じわりと効かせる肥料と少なめの水で「肥る」。そんな樹をつくり上げます。

 

現在、父から息子へと技術、知識、感覚の受け渡し中。最近新たに導入したのが、白色遮光です。熱線はカットし、光合成を促す波長光は浴びせるための設備です。ここ10年、35℃を超える日が北海道でも散見されるようになりました。たとえ1日でもトマトには悪影響があります。

 

「数回の猛暑は必ずある。遮光はそのための保険だよ」

 

自然に対し油断なく、誠実に対応する楠さんのトマト。いつだっておいしいはずです。

 

みなくちなほこさんの『知れば知るほど野菜好きになる!』

 

「私、トマトは常温で食べるのが好き!」と言うのは、フードコーディネーターのみなくちなほこさん。

 

畑からもぎたての、青々とした野菜らしい香りを味わいたいのだそう。

 

「トマトは追熟するので保存も室温です。そもそもトマトは寒がりだから冷蔵庫には入れませんね。冷やしたトマトがお好きなら、冷蔵庫ではなく冷水に浸すとやさしい冷えになっておいしいですよ」

 

みなくちさんちのねぎだれトマト

みなくちさんのねぎだれトマト写真
ごま油で長ねぎのみじん切り½本と赤唐辛子を炒め、香りが出てきたら醤油大さじ4、酢大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1を加える。砂糖が溶けたら火を止め、トマトにかける。