2018年5月8日
【季節の手しごと】トマトの出汁漬け

凍りついた大地を割り、小さな黄色い花が咲く。
春は黄色い花からはじまると、教えてくれた人がいます。朝の空気の中に、ふわりと春の匂いが混じりはじめました。
野菜も春の顔ぶれが目立つようになりましたね。
いつも家にあるおなじみのものでも、「春」と名前がつくと、なんだかうれしくなります。
黄色い花を咲かせるトマトも、実は春が旬。
もいだばかりのトマトをザルから取り出し、かぶりつき食べたことを思い出します。
ものすごく甘いわけでもなく、酸味も青い匂いもあったけれど、果肉がしっかりしていて、とてもトマトらしい味がしたのを今でも鮮明におぼえています。
春先のつやつやとしたトマトは、見た目にもかわいいものです。
今回は、その可愛らしい姿も残した出汁漬けをつくります。
トマトはグルタミン酸を多く含むので、昆布は使わず、かつお出汁とあわせます。
漬けたトマトはもちろんですが、漬け出汁もまた味わい深く、料理の幅が広がります。
トマトの酸味も、いつもの料理を春らしくしてくれるので、ぜひ春先のトマトでつくっていただければと思います。
トマトの出汁漬けの作り方
トマトの生まれ故郷は、乾燥していて寒暖差の大きい、南米アンデスの高原地帯。
高温多湿は苦手で、日本では春先から初夏にかけてが、おいしい季節。
旬のトマトは、酸味と甘味のバランスがよくうま味も凝縮しています。
材料
- ミディトマト 12個
(漬け汁)
- かつお出汁 800cc
- 酒 大さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- 塩 小さじ1
つくり方
1.トマトは洗ってから包丁でへたをくり抜き、お尻側に浅く十字の切り込みを入れておく。
2.沸騰した湯に1を入れて、10~20秒ほどして皮がはじけたら、すくい上げて冷水にとる。
3.はじけた部分から、1つずつていねいに皮をむいて水気をきり、保存容器に入れる。
4.漬け汁の材料を火にかけて塩を溶かし、粗熱がとれたら3の容器に静かに注ぎ入れる。
ひと口メモ
グルタミン酸が豊富なトマトを使うので、イノシン酸が多いかつおなどの出汁を使うと、うま味の相乗効果が期待できます。
トマトが漬け出汁から浮き出るようなら、表面をラッブでピタッと覆います。
冷蔵庫で保存して、5日間ほどで食べきりましょう。
文・レシピ スズキエミ
宮城県の豊かな土地で生まれる。実家は米農家。
レストランなどでの勤務を経て、家庭料理家として独立。
季節を感じるごはんづくりを提案する料理教室「暦ごはんの会」を主宰。
「時間ではなく気持ちをかけて料理」がモットー。
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