真っ赤なトマトはうまくない〜おいしいトマトの見分け方〜
トマトといえば、真っ赤なトマトがおいしい、そう思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、それって間違いなんです!
らでぃっしゅぼーやのトマト博士・杉山が、トマトの真実をお伝えします。これさえ覚えておけば一生「お得なトマトを探せる人」になれますよ。
甘さは赤くなる前に決まっている!
トマトの成分が、熟すとともにどのように変わっていくか、みていきましょう。
【甘味】
トマトの甘みは「ほぼ真っ青」の時点で確定しています。
追熟してもほとんど変わらないのです。
【酸味】
トマトのおいしさは甘いだけではなく、甘味と酸味のバランスは重要です。
酸味類は赤くなるにつれて減少してしまいます。
【旨み】
旨味成分であるグルタミン酸は追熟することで増えていきます。
しかし、ピンク色の状態でも十分なグルタミン酸(赤熟の80%程度)ですし、
それ単体ではあまり明確な旨味として突き抜けたものではありません。
最近のトマトは味が薄い・・と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これは、食卓に並ぶ時点で、酸味類が全体的に低くなっているためです。
つまり、甘味があり、酸味が残る完熟前がもっとも「トマトらしいトマト」なのです。
味の濃いトマトを探すには色づき方に注目!
冒頭の写真のように、オレンジ色からだんだん赤く色づいていくのが、味の濃いおいしいトマトです。
トマトを選ぶ時は、下記の2点に注目してみてください。
・「ピンク→赤」ではなく、「オレンジ→赤」というような着色感のあるトマトを選びましょう。
・トマトの表面に白い小さな点があるものは圃場や土中の水分率が高く、味が薄いです。
鬼花トマトはお買い得!
トマトの苗を植えて1番最初に咲く花を「鬼花」といい、
その鬼花に実ったトマトが「鬼花トマト」です。
ヘタの反対側の筋の数が多いトマトは、時間をかけて大きく育った証。
鬼花トマトはその代表的な例です。
水分以外の成分が多いので、味や風味が濃く、おすすめです。
B級品として安く売られることもあるので、見つけたら、おいしいトマトが安く手に入るチャンスですよ♪
トマト博士がモノ申す!
はっきりと言わせていただきますが、真っ赤なトマトに味のパンチはありません。
確かに少しの「まろやかさ」は出てきます。でも、完熟最高!というチカラはありません。
強いて言えば、加熱したり調理するには「真っ赤〜過熟」程度がベスト。
生食するのは、ピンク色〜少し青みが残る程度が良いと思います。そちらの方が、
食味の核心である「甘味と酸味のバランス」も良く、酸味が残っている分、後を引きます。
また、重要なことが一つ。トマトは追熟する野菜です。
ですから、購入した段階では「やや青い状態」で、糖酸バランスの良い青めがお好みの方は、そのまま。真っ赤にしたい方は、常温で1〜2日寝かせる。
これがかしこいトマトの食べ方です!