覚えておきたい妊娠中の過ごし方

覚えておきたい妊娠中の過ごし方

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。

心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。

 

お母さんにも赤ちゃんにも出産がスムーズなことは、その後の2人の体調を左右するほど大事です。そのためには、妊娠中の過ごし方がとても大切になります。

 

妊娠中の過ごし方は、基本的に妊活中の注意事項と同じです。

 

妊婦さんの体調不良は身体の冷えから来ることがほとんどです。

 

まずは身体を温めること。

 

素肌が露出するような服装はやめて手首、足首、首と下半身を基本的に冷やさないようにしてください。

 

夏に体調を崩して私の施術所に駆け込んでくる妊婦さんも多いですが、ほとんどが冷房による冷えが原因です。

 

特に働いている方は要注意。足かけやストールで冷房から身を守ってください。

 

お風呂に入ったら必ず湯船につかり、身体や頭を洗ったりする時は洗面器に熱めのお湯を入れて足湯をしましょう。一日中パソコンを見る方は、目の温湿布も忘れずに。

 

食べものにも気を付けましょう。

 

母乳のトラブルは、食事が原因のことも大変多いです。

 

甘いものや乳製品は極力減らして和食中心に。冷たいものはできるだけ避けるようにしてください。

 

冷蔵庫でキンキンに冷やしたものは飲まずに、常温のものをゆっくりお口の中で噛みながら飲むようにしてください。

 

また、体調と相談しながら軽くスクワットをしたり、床の雑巾がけをして脚の筋肉を鍛えましょう。

 

下半身のストレッチもしっかりやります。横向きになって下の足を伸ばし、パートナーに内腿を手の平で押してもらうのもおすすめです。

 

お腹が張ったり、腰や股関節が痛くなる方もよくいらっしゃいますが、前述したことに気をつけても改善しないようなら、信頼できる東洋医学の専門家に診てもらうのもひとつの方法です。

 

身体の痛みをほっておくと出産の時につらい思いをする方も多く、出産後もその痛みに悩まされる方が少なくありません。

 

どうか身体を整えて、赤ちゃんと素晴らしい出会いをしてください。

 

お散歩で体力維持

妊婦のお散歩イラスト
体調がよければしっかり歩きましょう。スムーズな出産には体力が必要です。

 

安定期に入ったら30分くらいから始めて、できれば1〜2時間くらい赤ちゃんとお話しながらお散歩するようにしてください。

 

の〜んびり、ゆったーりと

 

妊婦はゆったりとイメージイラスト

なにより大事なことはの〜んびり、ぼーっと過ごすこと。

 

お母さんが心配したり、ドキドキしたりすることはお腹の赤ちゃんにとっても、決してよいことではありません。

 


 

中野史朗(なかのしろう)

均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)