ママの身体も準備が大事。出産予定日が近づいたらやっておきたいこと

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
いよいよ出産の予定日が近づいてきたら
準備の方は出来ていますか?
この準備というのはベビー用品やおむつのことではありません。お母さんのお身体のことをうかがっております。
とても大切なことなので、あえて繰り返しお話しますが、妊娠中はとにかく身体を冷やさないこと。
よく温め、身体をよく動かすこと。
そして冷たい物、甘いものや乳製品は極力とらないことを心がけていただければ、妊娠中も気持ち良く過ごせると思います。
出産の日まで、これらをぜひ続けてみてください。
腰や股関節の痛みもしっかりケア
お腹の赤ちゃんもどんどん大きくなって、身体も重くなってきますが、腰や股関節の痛みは大丈夫でしょうか?
腰や股関節に痛みがあると、その度合いによっては出産がとてもつらいものになります。
そして出産後も痛みに悩まされ、赤ちゃんの世話が大変になる方が私の施術所にもよくいらっしゃいます。
出来れば予定日の前までには、そういった身体の痛みも良くしておかれた方が良いと思います。
妊婦さんもほどよい運動を
身体に痛みや問題がない妊婦さんは、ほどよく動いてしっかりと休んでください。
ある自然出産の産院では、妊婦さんが斧を持って薪割りをして足腰を鍛えるところもあるそうです。足腰の強さはスムーズな出産に欠かせません。もちろん、薪割りは無理なので1日1〜2時間歩いたり、足腰と相談しながら足を大きく開いてお相撲さんのように四股を踏む感じでスクワットをするのもおすすめです。そして、身体をうんと使ったらゆ〜っくり休んでください。
身体は一生懸命動かしながら、頭と心は出来るだけぼーっとするようにしてください。
精神的な緊張や不安は特にこの時期の妊婦さんには良くありません。気持ちの良い音楽でも聞きながら、いらぬ心配はしないようにして、心穏やかにお腹の赤ちゃんと過ごすようにしてください。
小さいお子さんがいたり、仕事をされている方にはなかなかむずかしいですが……。
身体はしっかり温めましょう
病院の場合は、部屋の中が寒いことがあるそうです。
陣痛が始まると薄いガウンを着せられると思いますが、その時には貼るタイプのカイロをガウンの上からあちこち(特に腰回り)にくっつけて身体が冷えないように工夫してみてください。
皆さまが気持ち良く、楽しく良い思い出になるような出産ができますよう、心よりお祈りいたしております。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)