エコシュリンプの産地 – インドネシア・ジャワ島東部の「粗放養殖」 –

前回は「「エコシュリンプ」とは?エビの旬な時期と種類」をご紹介しました。
今回はエコシュリンプの産地についてご紹介します。
エコシュリンプが育つ場所は「いけす」ではない
エコシュリンプは、養殖えびではありますが、いわゆる「いけす」の中で「餌」を食べながら育ったえびではありません。
自然の力でえびを育てる「粗放養殖」の賜物です。粗放養殖とは、いわば養殖界の有機農業。
おいしいえびを育てるにも、「土づくり」は不可欠でした。
バナメイエビの養殖。広い池に放たれたえびは病気知らず、ゆえに、薬知らず
現在主流になっているバナメイエビの養殖では1m²当たり、100尾ほど詰め込まれるのに対して、粗放養殖はなんと3尾程度!
いかにゆったりとしているかがわかります。
多くの養殖えびは「集約型養殖」。
周囲を囲われた人工プールに大量に詰め込まれ、人工餌と病気や感染を防止する薬剤を投与されます。
一方「粗放養殖」は周囲をマングローブに囲まれた池で池に棲むいきものをエサにしながら大きくなります。
エコシュリンプが「エコ」なワケ
持続可能な養殖は伝統の中にあった
80年代以降、急速に広がりを見せた東南アジア各国のえびの養殖は、さまざまな問題と隣合わせでした。
マングローブの森林を切り開き、モルタルで固めたいけすで密飼いされるえびは、病気を防ぐために人工の餌と薬品が大量に投与されました。いけすの寿命も短く、多くの養殖放棄池が発生。えびの養殖が、環境破壊と直結するようになりました。
そんな時、インドネシア・ジャワ島東部で「粗放養殖」(※)を営む生産者との出会がありました。エコシュリンプの輸入元である、株式会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)。粗放養殖とは、自然に近い「池」でえびを育てる方法で、古くは300年以上前から魚を養殖するために行なわれていたとされるものです。池には藻、プランクトン、魚も同居し、えびはゆったりとしたスペースを泳ぎ回り、池に棲みつくプランクトンを食べて育ちます。人工餌や薬品は一切与えず、生産者は池を健康に保つことに心を砕きます。こうして育ったえびは 、盛んに運動をし、自分のペースで成長しているので健康そのもの。さらに投薬ゼロなので池や周辺の木々、海を傷めず、半永久的に同じ池でえびを育てることができます。
※ 現在は、スラウェシ島南部の粗放養殖池も産地の一つとなっています。
エコシュリンプは「農家」のえび
池干しや施肥を行ない、土づくりによって環境を整える粗放養殖。生産者たちは伝統的なこの養殖方法に誇りを持って取り組んでいます。また、東ジャワの産地では、今後の養殖環境の保全を目的として、マングローブの植林や、水資源の循環に関する研修などを始めました。
このような彼らの取り組みは、有機農業の野菜やお米を育てる生産者と、たくさんの共通点が見つけられます。
大量には出荷できません。池を健康に保つのは重労働です。しかしエコシュリンプは、この先数百年と継続して、資源を絶やさず循環させていく、かけがえのない財産なのです。
収穫には「プラヤン」という伝統的な道具(しかけ)を活用(ジャワ島東部)。
こちらのえびを使った料理も参考にしてください。
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次回もお楽しみに。