アニマルウェルフェアとは。BSEで見えた家畜にとってのいい環境。

日本人が食事のたびに口にする「いただきます」には、命をいただくことへの感謝が込められています。
一方、欧米では近年、家畜をもっと大切に扱うべきだとする「アニマルウェルフェア」の考えが広まってきました。
日本の「いただきます」と欧米の「アニマルウェルフェア」に共通するものとは何でしょうか。
アニマルウェルフェアへの取り組みは、この20年の間に欧米諸国を中心に海外で急速に広がってきています。
この卵はどのように飼われている鶏が産んだのか、この肉はどのように育てられた動物の肉なのか、ということが普通に語られるようになり、飼育方法を法律で規制する国も現れました。
日本人にはまだまだ聞き慣れない言葉ですが近い将来、食の質を語るうえで重要なキーワードになりそうです。
アニマルウェルフェアが定める5つの解放
1. 飢えと渇きからの解放
2. 肉体的苦痛と不快からの解放
3. 痛み・苦痛・病気からの解放
4. 通常行動への解放
5. 恐怖や悲しみからの解放
アニマルウェルフェアは未来の畜産スタイル
BSEで見えてきた、効率優先の限界
1990年代に世界を震撼させたBSEを覚えていますか。牛の脳がスポンジのようにスカスカになる病気で、イギリスを中心にEU諸国で18万頭以上が発病し、500万頭以上が屠殺されました。やがてヨーロッパや北米でBSE牛を食べた人への感染が報告され始めると、世界中がパニックに陥りました。
原因はBSEにかかった牛からつくられた肉骨粉を、牛の飼料として与えたことでした。草食動物の牛に、汚染された牛の肉や骨を配合した飼料を食べさせるという、自然の摂理を無視した行為が招いた人災だったのです。
それまでも、経済効率を最優先し、どんどん工業化していった20世紀の畜産に対する批判の声はあったものの、誰もその流れを止めることはできませんでした。BSE騒動は、畜産のあり方そのものの見直しを迫る決定的な出来事でした。
牛は草を食べる権利がある!
家畜にとっての「いい環境」ってなんだろう?
アニマルウェルフェアが目指すのは「個々の動物の生活が苦痛や不快のない、喜びに満ちた状態」です。いずれ奪われる命であっても、生きている間はできる限りストレスのない、その動物生来の行動ができる環境で育てるべきだとして、飼育環境や家畜の扱いなどがとても細かく見直されてきました。上に掲げた5つの解放はその規範となるもので、1992年にイギリスで提唱されています。
羽が伸ばせる!
EU諸国では徐々にガイドラインが整備され、法整備も進んできました。アニマルウェルフェアの認証シールがパッケージに貼られた肉や卵が店頭に並んでいます。それを追うように、アメリカでも生産者団体が自主的にガイドラインを策定し始め、こうした動きはアジアにも広がってきています。
土を掘るのも大好き!
野菜も動物も、私たちの身体をつくる命のもと
日本におけるアニマルウェルフェアの取り組みは、国や生産者団体のレベルでは世界から大きく遅れていると言わざるを得ません。しかし個々の生産者には、早くからアニマルウェルフェアを取り入れてきた人たちがいます。
そうした取り組みを少しずつご紹介しております。
【産地紹介】平飼いたまごとは。丸一養鶏場の卵
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らでぃっしゅポケットでは生活を便利にする情報をお届けします。
次回もお楽しみに。