酢・醤油・味噌の天然醸造・本醸造とは

よく目にする「天然醸造」とは何か、解説します。
「天然」を名乗るにも、資格が必要な醸造の世界。
酢、醤油、味噌、清酒・・・。日本の食卓に欠かせない発酵食品。これらをつくる際に不可欠な技術が発酵の力を借りて行う“醸造”です。さまざまな醸造製品で目にする機会が多い言葉「天然醸造」について、醤油を例にお話させていただきます。
醤油の「醸造」で「天然」と名乗れるか否かは、JAS法の品質表示基準によって定められています。この法律は通常、「天然」や「自然」といった言葉を商品ラベルやパッケージに使用することを基本的に禁じていますが、例外として「本醸造製法でつくられている」「酵素を加えるなどして人為的に“醸造の促進”をしていない」「安息香酸ナトリウム(保存料)やグルタミン酸ナトリウムなどの食品添加物(指定添加物)を使っていない」という、3つの条件を満たした場合のみ「天然」や「自然」といった言葉を表記してもよいとしています。
「天然醸造」とは「本醸造」の中のひとつです。
先ほど登場した「本醸造」という言葉。こちらも醸造を語る際によく登場します。醤油の「本醸造」とは、アミノ酸液を使っての醸造期間の短縮を行わない製法のこと。
「天然醸造」は、「本醸造」の工程を経た上で、さらに酵素などで醸造の促進を行わず、その土地固有の気候風土の中、自然に任せて熟成させるため、仕込みから製品になるまで、大変な時間を要します。実は、「本醸造」と「天然醸造」は同列ではなく、「本醸造」というグループの中に「天然醸造」という製法が含まれているのです。
「天然醸造」は、効率が良くなく手間もかかるため、自然と高価になりがちですが、時間をかけたからこそ得られる特有の深い風味と味わいが魅力。らでぃっしゅぼーやでは、四季を経て熟成する“天然醸造”にこだわった商品をお届けしています。
酢の「天然醸造」
〈醸造業界で天然醸造と扱われるもの〉
静置発酵醸造。発酵は約3か月前後、熟成1年以上。(JAS法で表示は禁止)
〈速醸〉
機械による速醸で約60日で製品化。
〈らでぃっしゅぼーやの考え方〉
穀類等から発酵醸造した酒に酢酸菌を加えて静置発酵させる昔ながらの製法でつくられたものを優先的に取扱い。国産原材料および製品の使用が基本ですが、海外オーガニック製品も取扱います。
醤油の「天然醸造」
〈醸造業界で天然醸造と扱われるもの〉
酵素、酵母、発酵促進物は無添加、温度管理にも一切手を加えず1年以上醸造。
〈速醸〉
酵素による速醸・加温による温醸で3週間〜3ヶ月で製品化。
〈らでぃっしゅぼーやの考え方〉
国産大豆を原料に、微生物の力で時間をかけて発酵させた本醸造のものを優先します。
味噌の「天然醸造」
〈醸造業界で天然醸造と扱われるもの〉
一切の温度管理に手を加えず、夏季を含む8ヶ月〜1年をかけて製品化。
〈速醸〉
人工的な温度管理による温醸で2〜3ヶ月で製品化。
〈らでぃっしゅぼーやの考え方〉
国産大豆を原料に、微生物の力で時間をかけて発酵させたものを優先します。
らでぃっしゅぼーやでは、食材のポテンシャルを最大限に活かす調味料を数多く取り扱っております。こだわりの調味料についてはこちらをごらんください。
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