「純米酒」と「本醸造酒」の違いは?日本酒の種類についてQ&A

大地が育てた食物を微生物や気候の力を借り、人と時間が美味しいお酒を醸し出します。
聞いて楽しく、知ってうれしいお酒のQ&A をお届けします。
Q.「生酒」とはどんなお酒ですか?
A.火入れをしていないお酒です。
発酵が完了したもろみは搾って酒と酒粕に分けられます。
この段階の酒が「生酒」です。
生酒は、出来立てそのままのフルーティな味わいが魅力ですが、殺菌処理をしていないぶん劣化が早くなります。そのため日本酒は一般的に、搾った後と出荷前の2回、低温で加熱殺菌(火入れ)を行っています。
生酒独特の味わいを楽しむのなら、冷蔵庫に保管してなるべく早く飲みたいものです。
Q.「純米酒」と「本醸造酒」どう違うの?
A.アルコールを添加するかしないかの違いです。
「純米酒」とは米と米麹と水だけでつくる酒のことをいいます。
一方、「純米」の表記がないお酒は「吟醸酒」や「本醸造酒」でも米、米麹、水の他に、醸造アルコールを原料としています。
もろみを搾る直前に醸造アルコールを添加することで、香りが出やすくしたり味を淡麗にしたり、アルコール度数の調整をする作用があります。
添加量が原料米の総重量の10%を超えると「本醸造」は名乗れず、普通酒となります。
Q.では、「吟醸」って何?
A.低温で長時間かけて醸した酒のことです。
「吟醸」や「大吟醸」と聞くと、華やかで飲みやすい酒という印象があります。いわゆる「吟醸香」といわれるフルーティでふくよかな香りは、よりよく精米し、低温でじっくり発酵させることによって生まれます。
文字通り「吟味して醸す」ことで微生物の活動を促し、日本酒特有の芳香が育つのです。
それとは別に、精米歩合によって冠される特定名称があります。
「吟醸酒」「純米吟醸酒」は60%以下、「大吟醸酒」「純米大吟醸酒」は50%以下。「本醸造酒」は70%以下です。
Q.なぜ「灘」「伏見」「西条」が日本三大酒処なのですか?
A.名水あるところに銘酒あり
兵庫県の「灘」京都府の「伏見」広島県の「西条」は、それぞれの水の特徴が違います。「灘の宮水」と呼ばれる六甲山の湧き水は、硬度が6.5もある高硬度の水。
この豊富なミネラル分のおかげで、灘の酒はしっかりとしたキレのいい辛口の男酒に。「伏見」は中硬水で、なめらかでしっとりとした甘みの女酒になります。
広島の「西条」はさらに硬度が低い軟水。
この水にあった「軟水醸造法」を生み出したことにより、灘・伏見と並び称されています。
いかがでしたでしょうか。
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