柑橘類の条件つき除草剤使用について

柑橘類の条件つき除草剤使用について

らでぃっしゅぼーやでは、これまでお米、パイナップルを除き除草剤の使用を認めていませんでしたが、柑橘類は畑の傾斜条件によって、年1回除草剤の使用を許可することにいたしました。

古くからの「おいしい柑橘園地」には共通の条件があります。
? 園地の傾斜が強い
? 日当たり良好
? 水はけが良い
? 風通し良好

果樹全般において「環境7割、作業3割」というほど栽培される環境は重要です。らでぃっしゅぼーやでは、可能な限り「おいしい柑橘園地」で栽培されている生産者さんから柑橘類をお届けしてきましたが、現在そのような園地がどんどん放棄されています。その大きな理由のひとつが除草作業です。

急傾斜地における除草作業

柑橘類では、年間5〜6回の除草作業が必要です。緩斜面や平坦園地では、乗用の草刈り機を使用できます。

急傾斜地における除草作業

急傾斜の園地においては刈払機で少しずつ除草していきます。傾斜のきついなか柑橘の樹も植わっており、非常にやりづらく作業者の事故も絶えません。これを月に1回以上行うのは大変な労力なのです。

刈払機で少しずつ除草

 

害獣対策の電気柵付近の除草作業

夏場、雑草は種類により2週間程度でひざ下までの長さに生育してしまいます。近年、害獣対策としてほぼすべての柑橘圃場は電気柵で囲っています。この電気柵は降雨時に雑草が接触すると漏電し、電流が自動的にストップします。するとイノシシは園地に侵入し、根やミミズを目的に土を掘り起こしをします。その掘り起こされた箇所に雨水が入り込み、傾斜圃場の石垣や畑自体が崩壊していきます。電気柵周囲の機械除草は非常に手間がかかり、刈り残しも多く電気柵はすぐに効果無しとなってしまいます。

害獣対策の電気柵付近の除草作業

これらの理由などから「おいしい柑橘園地」は放棄され、作業効率の良い平地として造成された園地での栽培に移っていきます。この動きは、らでぃっしゅぼーやの生産者さんでも同様です。そこで、こういった園地でも継続して栽培がしていけるよう、2016年秋から

? 乗用の刈払機が入れない急傾斜地
? 電気柵周囲

など、条件付きで除草剤の使用を1回に限り承諾しています(一般的には年間4〜6回使用)。使用できる除草剤についても土壌に落ちると即座にアミノ酸、二酸化炭素などに分解する剤に限定しています。もちろん残留農薬分析も行います。

 

また、すべてが除草剤使用の園地にはなりません。今まで同様、除草剤を使用しない柑橘類の割合がほとんどです。しかし、かたくなに除草剤を規制することが「おいしい柑橘類を潜在的に栽培可能な園地」の放棄を促進するなら、そのことを良しとは考えません。

 

らでぃっしゅぼーやが柑橘類の栽培に求めることは「除草剤不使用」が目的ではありません。「おいしい柑橘類を地形や風土のメリット(傾斜地)を受けて少しでも長く安定して生産し、お客様に届け続けること」です。
生産者、らでぃっしゅぼーやスタッフで幾度となく議論を重ね、さまざまな情報収集を行い今回の結果にたどり着きました。何卒、ご理解いただけましたら幸いです。

草刈りが急斜面のみかん畑

草刈りが急斜面のみかん畑