「大豆の作られ方」北海道十勝の大豆産地・生産者

大豆はどのように作られているのでしょうか。北海道の十勝にてお話をうかがいました。
草取り、堆肥作り、手間の分だけ大豆はおいしく育ちます
就農して45年になるという平譯さんは、小麦やじゃがいもなどとともに12種類の豆を栽培しています。そのうち大豆は、一般的な黄大豆と、納豆大豆、黒大豆、黒千石大豆を育てています。
「手がかかるのは、草取りですね。最近は機械の開発が進んでいますが、手作業も必要です。除草剤を使う慣行栽培にくらべると4倍ぐらいの人手が必要です」
平譯さんの大豆畑は5.5ヘクタールという広さ。東京ドームの建物よりも広い畑です。そこでは、草だけでなく虫とも格闘しているのだとか。
「農薬は使わないので、木酢液や松ヤニ酢、竹酢液など、虫を寄せ付けない忌避剤を駆使しています」
さらに、一部だけ忌避剤を使わず、そこに虫を集めて、ほかを無事に育てるなど、虫から大豆を守るための工夫が。長年試行錯誤してきた苦労がうかがえます。
おいしい大豆を作るコツはどこにあるのでしょうか。
「自然乾燥ですね。機械で温かい風を送れば効率的に乾燥できますが、風味を損なうし、乾燥にムラも出てきます。ここいらは、日高山脈から吹き下す冷たい西風が吹いてきます。その風と太陽でじっくり乾燥させると風味を損なわず、おいしくできあがります」
昨年はとくに天候もよく、しっかり天日乾燥させてから収穫ができ、おいしさも増したようです。
「ウチの大豆は茹でたときの香りがとってもいい。甘味があって、茹でただけでもおいしいですよ。酢大豆や自家製の味噌、豆腐なども作って食べています」
じっくり育てた豆は、とろ火でゆっくりコトコト煮ると、いっそうおいしくなると平譯さん。
「最近は、国産有機大豆にこだわる味噌や醤油の小さな加工メーカーが増えました。そういう人たちも大切にしながら、これからもおいしい大豆を育てていきたいですね」
除草機で取りきれなかった雑草は、「ほう」と呼ばれる柄の長いカマのような道具を使い、人の手によって草取りをする。
農薬を使わない分、人の手がかかるが、しっかりと育ってもらうための大切な作業。
おすすめの大豆の調理方法
大豆と言えば、「煮豆=和食」のイメージがあるかもしれませんが、調理法を変えるといろいろな料理が楽しめます。
茹でた大豆があれば、簡単!日々の食卓にどうぞ。
まずはここから 大豆を茹でてみよう!水煮大豆のつくり方
1.大豆300gを洗い水に一晩浸けて戻す。
一晩で乾燥時(写真右)の2〜3倍の大きさにふくれます。乾燥大豆300gを煮ると、だいたい700gの水煮大豆になります。
2.鍋に大豆と戻し汁を入れ、強火にかけます。
3.沸騰したらアクを取り、弱火にして差し水をしながら1時間半ほど煮ます。
4.親指と薬指で軽く押さえてつぶれるくらいにれば茹であがりです。
使いきれない場合は、ファスナーつきの冷凍パックに茹で汁ごと小分けし、なるべく空気を抜いて冷凍してください。
使うときは、自然解凍がおすすめです。