【第2回】更年期にお悩みの方へ。更年期の辛さを和らげる方法

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
更年期と向き合う
更年期のトラブルは東洋医学的に考えますと、まず骨盤の弾力性が減少し、身体の大きな変化についていけないことがひとつ。その大切な骨盤の弾力性の減少は、特に婦人科系に負担をかけた方に影響が出る、というお話をさせていただきました。
では、その骨盤の弾力はどのように良くして行ったらよいのでしょうか?
いろいろな方法がありますが、まず簡単に出来るのは足の小指を良く回すという方法です。
足の小指は婦人科系や泌尿器系に深い関係のある指です。特に、婦人科系の調子が悪い方はこの小指が他の足の指に比べると硬くなっていたり、曲がっていたりします。そんな硬い小指をほぐすように根元からよーく、くるくる回してください。
寝る前に1日100回ぐらい回すと良いでしょう。
この時期、頻尿に悩まされる方もいらっしゃると思います。ぜひ足の小指をくるくるしてください。
手は人差し指をよくマッサージします。人差し指も骨盤の動きを良くします。全体を摘まむような感じでマッサージします。
また、骨盤と関係が深いのは足首です。椅子に座って片方の足首をもう片方の太ももの上に乗せ、指の間に手の指を差し込んで、そのまま足首をくるくる回す方法もあります。
他には和式のトイレで座る格好、スクワットの姿勢でしばらくキープするのも足首の柔軟性に加え、内股をストレッチしながら骨盤の弾力性を高めることが出来るので、とても良い動きのひとつです。
さらに、時間がある方は床の上に座ってお尻を使う「お尻歩き」や、前後の腕振り運動「スワイショウ」もおすすめです。
もちろん、以上の方法は痛みがあって出来ない場合、無理をしないでください。自分の身体と相談しながら出来る運動から少しずつ始めてみると良いと思います。そして、これらの方法は更年期に悩む方だけでなく、婦人科系の調子が悪い、という方にも有効な方法です。ぜひぜひ、生活の中に取り入れてみてください。
骨盤の弾力性に有効 「お尻歩き」
足と手を前にまっすぐ伸ばして座り、そのままの姿勢でお尻を使って前進、後退します。右足を前に出したら右手を前、左足を前に出したら左手を前、と動かします。畳一枚分往復して、慣れたら5〜10往復してください。
凝りをほぐす「スワイショウ」
骨盤の弾力性が失われると肩の動きに影響が出て、肩甲骨の内側の筋肉が凝ります。足を肩幅に開いて身体の力を抜き、腕をまっすぐにしたままで前後にぶらぶら振るだけ。全身の循環もよくしてくれます。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)