徹底的に休養を!産後に大事なのは休むこと

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
産後は「床上げは3週間」「水を触るな」「字を読むな」
産後は「床上げは3週間」「水を触るな」「字を読むな」といったおばあちゃんの知恵をご存じですか?
ピンと来ない方も多いかもしれませんが、実は女性が産後健康に、そして美しくなるための、非常に重要な知恵なのです。
産後に大事なのは徹底的に休むこと
産後、まず大事なのは徹底的に休養することです。
東洋医学では、赤ちゃんを通過させるために開いた骨盤は、約21日かけて片側ずつゆっくりと元の位置に戻ると考えられています。
もし、その閉じようとしているときにいつも通り動いたり、重たい物を持ったりすると骨盤に変な負担をかけることになります。そのせいで腰痛や股関節痛、さらには手首の腱鞘炎に悩まされる方は少なくありません。
子宮と卵巣は骨盤の中でぶら下げられています。骨盤のズレは子宮や卵巣に影響を与え、ホルモンバランスの乱れの原因やさらには母乳のトラブルを引き起こすことも。
私は出産を控えている方に産後は3週間寝たきりで、とアドバイスします。起き上がるのは、お手洗いとシャワーぐらいのつもりでいるといいと思います。
産後も身体を冷やさないようにケアを
また、この時期は身体を冷やさないようにしてください。
お風呂上がりはすぐに身体を乾かしてください。
ですが、エアコンの前ではだめですよ。
暑い季節は汗をふきふき、扇風機は遠くから”弱“にして身体の前に風をあてながらタオルでよーく乾かしてください。
頭も濡れているとよくありません。頭と子宮は繋がっていると東洋医学は考えています。ドライヤーでしっかり乾かしてください。
目も出来るだけ使わないようにして、寝ながらのスマホは止めましょう。
テレビや本も同じです。目の疲れは自律神経のバランスを乱します。特に、産後のデリケートな身体には大敵です。
SNSなどは最小減に!
さらには、産後しっかり休まないことによって更年期障害の原因になるともいわれています。
産後のケア次第で、産前よりも健康に
逆にこの時期を上手く過ごすと、体重はストンと落ち、産前より元気になってお肌の調子も良くなります。
その身体の変化にはいつもびっくりさせられます。
産後をゆっくり過ごすために周囲に協力してもらい、お母さんは赤ちゃんを見てやさしく話しかけ、たくさん撫でて赤ちゃんとの素晴らしい時間をお過ごしください。
中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)