農業は命をつくる仕事。岐阜県の長良なずな普及会

農業は命をつくる仕事。岐阜県の長良なずな普及会

「来る者拒まず」の精神で

普及会写真1

 

スタート時から無農薬、無化学肥料

 

ごまの皮と米ぬかを微生物発酵した自家製のポカシ肥は、おいしい野菜ができると評判も上々。そのすべては20年以上の積み重ねから生まれたものです。その秘密を知りたいと、なずな農園には多くの人が訪れます。きっかけはそれぞれですが、食のあり方に疑問を感じてやって来る方も少なくありません。中には食品工場の専務をされていた方も。若者もなずな農園の門を叩きます。

 

ボカシとは?

なずな農園写真

 

「ボカシ」とは、有機栽培でよく用いられる肥料の一種。米ぬかや油かす、鶏糞、魚粉などの有機質資材に有用微生物を加えて発酵させてつくります。発酵が始まると温度は50〜60度にもなり、湯気が出るほどに。即効性が高いため追肥などにも使われます。

 

農業は命をつくる仕事

武山さん写真

 

グループの代表・武山さんの仕事は農業だけではありません。自然農法や食育セミナー講師や体験農場なども大切な仕事。どんなに忙しくても“伝える”仕事には積極的に関わりたいといいます。

 

特に力を入れるのが子どもへの食育。

 

「今の子どもたちはすぐに食べられるものが常に手の届く所にあるのが当たり前。農産物が食品になるまでの流れを知りません。だから体験農場ではその流れと大変さを体験してもらうんです。例えば稲1本に米が何粒付いているかを数え、ご飯をお茶碗1杯食べることがどれだけ大変か実感してもらったり」

 

畑での農作業、雑草取り、収穫。そして収穫した野菜を調理して食べる。一連の作業を体験することで、子どもたちの意識は大きく変わります。

 

「口から入るもので人はつくられていくことを、子どもたちが認識できるようにしてあげないと。だから、お母さんは子どもが欲しがるものを何も考えずに与えるのではなく、それがどんな原材料からつくられているのか考えて欲しいんです」

 

「一農家の発言で世の中が変わることないやろうけど」と言いながらもあきらめない姿勢が、日本の食を変えていく力になっていくはずです。

 

だからおいしい!長良なずな普及会の野菜

・ご近所にも好評!自家製ボカシ肥

米ぬか写真

ごまや米ぬかを発酵させてつくる自家製のボカシ肥がおいしさの秘訣。良い野菜ができると直接買いにくる方も少なくありません。

 

・河川敷ならではの肥沃な土壌

河川敷写真

 

長良川とそれにつながる境川に囲まれた場所に位置する畑。

過去の洪水によって運ばれた堆積物が肥沃な土地の元になっています。

 

長良なずな普及会の武山さんおすすめ!具だくさん味噌汁

味噌汁写真

 

「野菜はファイトケミカルが丸ごととれる汁物が一番」 という武山さん。

 

 味噌汁は旬の野菜を少なくとも5〜6種類を使います。農業体験でも大鍋で具だくさん味噌汁を振る舞うそうです。