天恵グループの野菜はどれもおいしいと評判!愛知県田原市・天恵グループ

土も育てて名産地に
天恵グループのある愛知県田原市は言わずと知れた野菜の名産地。
農業産出額(市町村別)では、全国1位にも輝きます。(農林水産省「生産所得農業統計」参照)気候は太平洋からの黒潮の影響で年間を通じて農業に適していますが、元々の土質は農業に不向き。農家が有機物を入れて土をつくり上げてきた歴史があります。
「砂が堆積してできた地域。砂質なので水はけは抜群ですが、同時に肥料などの養分を保持する力も弱い。だから、畑ごとに入れる資材の内容や量、タイミングを変えて、畑を育てていくんです」
と教えてくれたのはグループ内でも広い面積の畑を持つ杉浦生剛さん。
「山の土を入れると粘土質が強くなって肥料持ちは良くなるけど、水はけは悪くなる。畑によって性質は違うから、ひとつひとつ見極めながら入れるものを決めます」
その畑には川の下流で見かける丸く削られた石がゴロゴロ。さらに畑のあぜ道は、畑から掘り出された石が集まり、まるで石畳の道のように。
でも、すべての石が悪いというわけでもなさそうです。
「石も”生きている石“と”死んでいる石“があってね。生きている石はカチカチで砕けないけど、死んでいる石は耕すうちに砕けていって、いい土になっていくんですよ」
変わる有機栽培、変わらない本質
有機農業の変遷を当事者として経験してきた天恵グループ。
最近では資材の選択肢も増え、ずいぶん有機農業に取り組みやすくなりました。
しかし、安易に”便利“に頼るのは違うという思いも。たとえば肥料。
「最近の有機肥料は『バランスがよく、入れるだけでOK』というものも。でも、この辺りの土はそれが逆にネックになります」と事務局業務も担当する井本剛文さん。
水や肥料を保持しづらい天恵グループの土は、成分も残りやすいものと流出しやすいものがあります。
「だから特定の資材に固執せず、あらゆる解決策を考えます。最近はバランス重視の肥料だけでなく、特定の成分に比重をおいた”特化型“の肥料も出てきているので、畑の成分を見ながら、柔軟に取り入れていきたいですね」
「天恵グループの野菜はどれもおいしい」そんな評判は、このような本質を大切にする姿勢がつくり出しているのかもしれません。
だからおいしい天恵グループの野菜
有機肥料を過信しない
バランスのよい有機肥料は、天恵グループの土では養分に過不足が出ることも。
肥料を過信せず、土の状態を見ながら肥料を使い分けます。
その時においしい品種をつくる
気候の変動が激しい最近は、去年つくった品種が今年もおいしいとは限らないので、将来を予測しながら、栽培する品種を選びます。
セロリの「す」を嫌わないで
セロリの「す」は好まれませんが、天恵グループのセロリは話が別。
冬の寒さと寒風で凍らないよう糖をたくわえる際、「す」もつくられてしまうのです。実は「す」の入ったものは煮込み料理にすると甘味が際立ち格別のおいしさに。
また、調味料が入りやすいので醤油漬けなどと相性抜群です。冬に天恵グループのセロリに出会ったら、せひ確かめてみてください。