アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その3

アトピーに悩む方へ。東洋医学から学ぶアトピーの対処法-その3

東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。
今回のテーマは「アトピー」。ご自身もアトピー性皮膚炎に悩まされた経験から、自宅でできるケアを4回に分けて、ご紹介いたします。
今回はアトピーと自律神経の関係についてです。

 

かゆみをやわらげるには「深呼吸」をしてみる

 

「アトピーのかゆみってツボで何とかならないのでしょうか?」とよく聞かれます。
あれば私が知りたいくらいです・・・・・・と、いつもお答えしていますが、少しでも楽になっていただければ、ということでご紹介している方法がひとつあります。
それが「深呼吸」です。
かゆみの発作が襲ってくる前に、少しご自身を観察してみてください。お仕事の後や、食事やお風呂の後、あるいはお布団の中のことが多いと思いますが、ちゃんと呼吸をしているでしょうか?
多くの方は落ち着いて呼吸ができておらず、そしてかゆみが襲ってくると、息をぐっと止めてかいてしまっていませんか?
まず発作の前から強く息を「ふーっ」と繰り返し吐きながらかいてください。
何度も息を吐いて、発作をやりすごしてみます。

 

 

自律神経とかゆみは密接な関係

 

アトピー の方は緊張感の強い、日中交感神経が過剰に活発な方が多いようです。そしてかゆくなるのは、ホッとして副交感神経の働きが活発になる時がほとんどです。
交感神経と副交感神経はシーソーのようにバランスを取りあっているため、日中の交感神経の緊張が強ければ強いほど、夜間に副交感神経が過剰に活発になります。それがかゆみを生みだす原因となります。この交感神経と副交感神経の振れ幅を小さく保つことが重要です。

 

 

深い呼吸を心がける

 

また、発作が出た時だけでなく、日頃から深い呼吸を心がけてください。何かしている時、息を詰めていませんか?
そんな時も深呼吸は効果的です。また、アトピー の方は呼吸器の弱い方がほとんどです。東洋医学では肺が皮膚をコントロールしていると考えています。深い呼吸を常に心がけておくと肺の中のリンパの循環もよくなり、働きも少しずつ改善してくるはずです。

 

 

 

●ご紹介の内容はアトピーの症状のある方すべてにあてはまるものではありません。ひとつの参考としていただき、治療については、主治医の先生と話し合いながらすすめてください。

 


 

中野史朗(なかのしろう)
均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。お子さんに怖がられないよう、白衣を着ないのがポリシー。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)